ULTIMAアルティマ
2026.09.10

1か月古い原価率を、
ずっと見とった話

福岡で、中小・小規模の会社のIT・AI導入を手伝っています。大手食品メーカーを経て、いまは創業50年を超える食品メーカーで経営戦略をつかさどっています。その立場のまま、自分で仕組みを作っています。ここに書くのは、うまくいった自慢話ではなく、自分の会社でやっていた恥ずかしい話です。

気づいたのは、会議の途中だった

原価率の数字が、どうもおかしい。前の月に上がった仕入値が、反映されとらん。

担当者に聞いたら、悪気なくこう言われました。

「そのExcel、先月配ったやつですね」

1か月古い数字を見て、みんなで話し合っとったわけです。

誰も悪くありません。担当者は毎月ちゃんと更新しとった。ただ、更新したファイルを手でコピーして配っていただけです。配ったあとに元が更新されても、手元のファイルは古いまま。

これ、うちだけかと思っとりました。よその会社の話を聞くようになって分かりましたが、だいたいどこも同じことをやっています。

何が困っていたのか

金額の話じゃないんです。困っとったのは、この3つでした。

間違っとることに気づかんまま、判断しとった。これがいちばん怖かった。

どう変えたか

やったことは、実はそんなに大げさではありません。

担当者のExcelは、そのまま残しました。

「システムを入れましょう」とは言わんかった。あの人がいちばん慣れとるやり方を、わざわざ変えさせる理由がない。残す理由があるものは、残していいと思っています。

変えたのは、その先だけです。

そのExcelを更新したら、社内のどのPCからでも、ブラウザで最新の原価率が見えるようにしました。配らない。コピーしない。開けば、そこにある。

新しい機材は買っとりません。特別なシステムも入れとらん。いまあるものの上に、薄く1枚かぶせただけです。

効いたのは、時間ではなかった

「集計の時間が減りました」と言えば、それらしく聞こえます。実際、減りました。

でも、いちばん効いたのはそこではありませんでした。

誰も、数字を配らんでよくなった。

担当者が「配らなきゃ」と思わんでよくなった。会議の前に「これ最新ですか」と確認せんでよくなった。気を使う仕事が、ひとつ消えたんです。

これは時間では測れません。でも、現場は確実に軽くなりました。

同じことで困っている方へ

もし、いま、

そういう状態なら、たぶんそれ、直せます。そして新しいものを買う必要は、たぶんありません。

うちがそうだったので。


ULTIMA(アルティマ)/柴﨑 達也
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