1か月古い原価率を、
ずっと見とった話
福岡で、中小・小規模の会社のIT・AI導入を手伝っています。大手食品メーカーを経て、いまは創業50年を超える食品メーカーで経営戦略をつかさどっています。その立場のまま、自分で仕組みを作っています。ここに書くのは、うまくいった自慢話ではなく、自分の会社でやっていた恥ずかしい話です。
気づいたのは、会議の途中だった
原価率の数字が、どうもおかしい。前の月に上がった仕入値が、反映されとらん。
担当者に聞いたら、悪気なくこう言われました。
「そのExcel、先月配ったやつですね」
1か月古い数字を見て、みんなで話し合っとったわけです。
誰も悪くありません。担当者は毎月ちゃんと更新しとった。ただ、更新したファイルを手でコピーして配っていただけです。配ったあとに元が更新されても、手元のファイルは古いまま。
これ、うちだけかと思っとりました。よその会社の話を聞くようになって分かりましたが、だいたいどこも同じことをやっています。
何が困っていたのか
金額の話じゃないんです。困っとったのは、この3つでした。
- どれが最新か分からん。ファイル名に日付を入れる、「最新」と付ける、「最新_修正」と付ける。あの流れです
- 集計のたびに、誰かが動かないといけない。その人が休むと止まる。辞めたら、もっと止まる
- 間違いに気づけない。古い数字でも、それらしい数字は出てしまう
間違っとることに気づかんまま、判断しとった。これがいちばん怖かった。
どう変えたか
やったことは、実はそんなに大げさではありません。
担当者のExcelは、そのまま残しました。
「システムを入れましょう」とは言わんかった。あの人がいちばん慣れとるやり方を、わざわざ変えさせる理由がない。残す理由があるものは、残していいと思っています。
変えたのは、その先だけです。
そのExcelを更新したら、社内のどのPCからでも、ブラウザで最新の原価率が見えるようにしました。配らない。コピーしない。開けば、そこにある。
新しい機材は買っとりません。特別なシステムも入れとらん。いまあるものの上に、薄く1枚かぶせただけです。
効いたのは、時間ではなかった
「集計の時間が減りました」と言えば、それらしく聞こえます。実際、減りました。
でも、いちばん効いたのはそこではありませんでした。
誰も、数字を配らんでよくなった。
担当者が「配らなきゃ」と思わんでよくなった。会議の前に「これ最新ですか」と確認せんでよくなった。気を使う仕事が、ひとつ消えたんです。
これは時間では測れません。でも、現場は確実に軽くなりました。
同じことで困っている方へ
もし、いま、
- 毎月おなじ表を手で作り直している
- 「あのファイルどこ?」が日常になっている
- どれが最新か、いまいち自信がない
そういう状態なら、たぶんそれ、直せます。そして新しいものを買う必要は、たぶんありません。
うちがそうだったので。
ULTIMA(アルティマ)/柴﨑 達也
福岡・北九州・久留米・八女・筑後および近県。オンラインも可。
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